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2003年5月30日(金) 日本経済新聞より
校舎新増設で頭痛、吐き気
学校悩ます「シックハウス」
化学物質が原因で頭痛やはきけを引き起こす「シックハウス症候群」が、校舎の新設や改修工事を終えたばかりの学校関係者を悩ませている。教育改革の目玉として取り入れた授業の一部が延期になったり、生徒が廃校になった旧校舎へ"避難"を余儀なくされたりするなど事態は深刻。各校は「こまめに換気する」など対応に躍起だが、財政難もあって抜本的な解決策がなく、頭を痛めている。
都立世田谷泉高校は、三月中旬に耐震補強と改修工事を完了した実習棟の一部から、文部科学省が定めた環境基準の六倍強の揮発性有機化合物トルエンを検出。窓開けや業務用換気扇を使って換気に努めたものの二ヶ月たっても濃度が下がらないことから、都教委は当面実習棟の使用延期を決めた。
江東区の区立元加賀小学校でも耐震工事後に最大で基準値の三.六倍のトルエンが検出され、今月六日から全校生徒約三百五十人が昨年廃校になった小学校で学ぶ「異常事態」となっている。
同区は接着剤や塗料など室内工事に使われた製品の書類調査を実施。トルエンが含まれた資材の一部を特定した。区はさらに現場を直接調べて原因究明を急ぐ方針だが、担当者の一人は「書類にない資材を使った可能性もあり、原因の特定には時間がかかる」と話す。
「目がかゆい」「頭が痛い」「吐き気がする」。同区教委が行った健康診断の結果、全児童のうち四十三人が体の不調を訴えた。他校のケースではあまりの症状のつらさから転校せざるを得なかった児童もいる。
教科書日干し・換気
地道な努力で対応
シックハウス症候群は接着剤や塗料に含まれる揮発性の有機化合物が原因とみられる。建材などだけでなく、教科書など印刷物の影響を指摘する声もある。文部科学省は昨年二月、すべての学校にホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンの四種類の化合物について教室内での測定検査を義務付けた。
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